第4部 識者に聞く (4)西田 昌司氏(与党整備新幹線建設推進PT)

長期的視点で早急に/鉄道関連予算の増額を

 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会の委員長を務める西田昌司参議院議員(59)=京都選挙区。山陰両県をはじめ、地方への新幹線整備は「長期的視点で考えて、早急に取り組まなければならない」と必要性を訴える。

 -2月11日に松江市内であった山陰新幹線(大阪-下関)の早期実現を求める決起大会に出席した。

 「当日は京都から向かった。京都-松江間は高速道路でつながってはいるが、3時間以上かかる。新幹線が整備されていれば、山陰と京阪神が1時間程度で行き来できる。日帰り圏内になれば、ビジネス、観光両面で大きな経済効果を生み出すのは間違いない」

 -山陰両県には、山陰新幹線と中国横断新幹線(伯備新幹線、松江-岡山)の二つの計画があるが、事実上凍結されたままだ。

 「山陰新幹線は(JRの負担分を除き)2兆円程度の建設予算が必要だろう。日本の公共事業予算は年間6兆円。そのほとんどが道路に使われ、鉄道は1千億円ほど。このうち新幹線に使われるのは755億円にとどまっており、このままでは、完成までに何年かかるか分からない」

 -人口減少が進む中、地方への新幹線整備が必要なのか、という意見もある。

 「政府の試算によると、日本の人口は2045年には、15年と比べて2千万人も減少する。山陰も同様だが、どうせ人口が減るから新幹線を整備しなくてもよいという発想では駄目だ。今、山陰への新幹線に投資することで、東京や関西の人口過密状態の解消につながるはず。将来的には東京も、子育てや介護が深刻な問題になっていく。長期計画、長期投資が今の日本には必要だ」

 -現在の整備新幹線計画は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設・施設保有し、JRに施設を貸し付ける上下分離方式を採用している。JRの協力がなければ計画は進まない。

 「山陰両県をカバーしているJR西日本は黒字経営ながら、山陰線をはじめとする地方路線は赤字状態。黒字を確保している新幹線と京阪神の路線の収益により経営が成り立っている。民間企業なので経営判断が優先され、もうかるところにしか投資しない」

 -現状は厳しそうだが、打開策はあるか。

 「現在株式上場しているJR4社(東、西、東海、九州)の株を国が全て買い取ってホールディングス形式にし、実質的な国営として各社を置く方法もあるのではないか」

 「上場している社だけでも、年間3千億円以上の税金を納めている。本来それは鉄道関連予算として使わなければおかしい。年間の鉄道予算を3千億円に増額できれば、山陰新幹線を整備する財源にもなる。私は自民党の岸田文雄政調会長と相談し、こうした方法論を研究するため、小委員会を党内に立ち上げた。研究結果を政府の骨太方針に盛り込み、山陰新幹線の早期整備に結び付けたい」

 にしだ・しょうじ 京都市生まれ。滋賀大卒。京都府議を5期務め、2007年の参院選(京都選挙区)で初当選を果たし、現在2期目。自民党超伝導リニア鉄道に関する特別委員会副委員長なども担う。

2018年10月9日 無断転載禁止