特派員便り 精神的なたくましさ増す

準々決勝後、会場を後にする錦織圭選手。心の成長を感じさせた全豪だった=メルボルン(共同)
 第2セット途中、錦織圭選手が帽子を脱いでネット付近に近づくと、1万5千席収容のセンターコート、ロッド・レーバー・アリーナには、どよめきとブーイングが響いた。

 初の4強を懸けた準々決勝。14連敗中の天敵、ノバク・ジョコビッチ選手に雪辱する絶好の機会だったが、右太ももの痛みに耐えきれず、途中棄権を決断。好調を維持し、手応えをつかんで臨んだ大会だっただけに、コートを去る背中に寂しさを感じた。

 ただ、今大会は精神面で大崩れすることがなくなり「本当に強くなった」と感じた。2セットダウンに追い込まれたり、一つのミス、心の乱れで負けにつながる窮地で、「カモン」と声を出し、小さくガッツポーズをつくって奮い立たせ、勝機を見いだした。

 2017年のウィンブルドン選手権で、何度もラケットをたたきつけて怒り、感情をあらわにした姿が懐かしい。精神的にたくましさを増した姿は、20代最後となる今シーズンの活躍を予感させた。

 =おわり=

2019年1月25日 無断転載禁止