アキのKEIルポ 体力温存が最終的な鍵に

 「彼とやる時は満身創痍(そうい)というか、一番キツイ時に対戦がくる」

 ジョコビッチ戦を棄権した後の会見で、錦織はそのように語った。試合途中の棄権は今回が初めてだが、過去には2回、ジョコビッチとの試合前に棄権もしている。昨年の全米での対戦時も確かに錦織は疲労していた。

 もちろんそれは、偶然ではない。トップ10プレーヤーの両者がトーナメントで当たる時は、必然的にベスト8以上の舞台となる。グランドスラムとなれば、既に4試合を戦った後。それまでにいかに体力を温存できるかが最終的には鍵になる。

 もう一つ、フィジカルと連動する精神面の様相もある。例えば2016年の全米オープンで、ジョコビッチの相手が立て続けに棄権したことがあった。その件について問われた錦織は「痛みを抱えた状態でジョコビッチには勝てないと思うので、その影響もあるのでは」と所感を述べている。あるいは今大会の初戦では、錦織の相手が途中で痙攣(けいれん)に襲われ、「精神的に限界」に達し、棄権した。

 錦織が今後もジョコビッチと当たるのは、大会の終盤になるのは間違いない。その地点に、いかに心身を重ねるか? 「探っていくしかない」の言葉を残し、錦織はメルボルンを後にした。

(フリーライター・内田暁)

 =おわり=

2019年1月25日 無断転載禁止