女子ログ 思い出の揚げパン

 上京してからというもの、地元の食品が食べたくなっても売っていないので、時々実家に救援(?)物資をお願いする電話をしている。お気に入りは板わかめや赤てんだ。

 そんな中、都内の近所で意外なものに出会った。浜田市の学校給食で大人気だった「揚げパン」だ。コッペパンがまるごとカリッと揚げてあり、砂糖がまぶしてある。食が細くて毎日完食に四苦八苦していた小学生の私も、揚げパンの日は1日ウキウキだった。しかしこの揚げパン、給食以外でお目にかかることはあまりなく、時折揚げパンと称して店頭で売られているのはアンコ入りの丸いものだった。

 上京して初めて知ったけれど、私が住む大田区は、何を隠そう揚げパン発祥の地であるらしく、揚げパンを売るパン屋が多い。味はたいてい砂糖ときな粉の2種類で、店によっては注文したその場で揚げたてを用意してくれる。熱々の揚げパンを軒先のベンチで食べるのもいいし、包みを抱えてホクホクしながら帰るのも楽しい。

 まさか、地元の懐かしい味に都内で出合うとは…。思い出の味はどこに転がっているか分からないものだ。ただ、いかんせんカロリーが高いので、せっかくの近所でも足しげく通えないのがじれったいところである。

(浜田市出身、東京都在住・もい)

2019年5月14日 無断転載禁止