益田・畑さん けが、病越え 日美展大賞 臨場感ある色鉛筆画

「全国公募 日美展」で大賞に選ばれた畑志壽子さんの「ブーゲンビリアとジャカランダが満開」(全国公募日美展事務局提供)
 全国から1300点以上の応募があった「全国公募 日美展」の絵画部門で、島根県益田市駅前町の畑志壽子さん(88)の色鉛筆画「ブーゲンビリアとジャカランダが満開」が上位3点の大賞に入った。交通事故で負ったけがのリハビリを兼ねてさまざまな文化教室に通う中、80歳で出合った「絵の世界」。その後の病も乗り越えて手にした大きな賞に「ほめてもらえることが、生きがいになる」と握る絵筆に力がこもる。

 日美展の絵画部門は、色鉛筆画を含む八つの部に、計1306点の応募があった。部を超えて油絵、水彩画などと合わせた審査で、最高賞の文部科学大臣賞を含む上位3点が選ばれ、畑さんはこのうち外務大臣賞を受賞した。

 旅行先の南アフリカで見つけた花をモチーフに、色鉛筆で鮮やかな赤や青などの色を丁寧に重ね、小さな色の変化も表現。臨場感あふれる作品として評価された。別の応募作品で、愛犬の毛並みの一本一本まで愛情を込めて描いた「ゆうちゃん12歳」も国際文化カレッジ賞に選ばれた。

 畑さんは、自身が立ち上げた化粧品店を長く営んでいたが、2006年、仕事中の交通事故で脳挫傷と左腕の大けがを負い、生きがいの一つだった仕事を続けられなくなった。けがのリハビリに取り組みながら「何かしないと」とさまざまな文化教室に挑戦。通信教育で始めたのが「色鉛筆画」だった。

 腕を磨き、県内外の作品展で入賞するまでに。15年には悪性リンパ腫が見つかり、薬の副作用とも闘う中、体への負担が比較的軽い色鉛筆画の創作は、闘病の支えにもなっている。

 「まだ絵の世界は分からない」と畑さんは言い、色鉛筆を握る。「これからも描き続けるだろうね」。受賞は大きな励みとなり、創作意欲はあふれんばかりだ。

 畑さんの受賞作品は、国立新美術館(東京都港区)で8~17日(13日休館)にある「全国公募 日美展」で展示される。入場無料。

2019年8月8日 無断転載禁止

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