日本のはじまり、ここにあり

 2020年は出雲の歴史文化を国内外に発信する上で、画期的な年になりそうだ。15日に東京・上野の東京国立博物館で特別展「出雲と大和」が開幕する。日本を代表する博物館のうち最も広い平成館では通常、海外の有名な美術館や博物館の所蔵品などが展示される。地方の歴史をテーマにした展覧会は極めて珍しい▼東京五輪が開催される年の最初の特別展というのもうれしい。今年は、わが国最古の正式な歴史書の日本書紀が編集されてから1300年を迎える。二つが重なり合う記念すべき年に、彩りを添える▼展覧会の開催は、島根県が奈良県に提案した。島根、奈良両県は優れた古代史や考古学などの書籍を表彰する古代歴史文化賞の実施で連携しており、奈良県が同意。東京国立博物館も承認し、6年がかりで準備してきた▼特別展の副題は「日本のはじまり、ここにあり」。大国主(おおくにぬし)が国を譲り、現在の天皇につながる日本の政治体制が確立したという視点から、出雲と大和がわが国の古代国家が成立する上で重要な役割を果たした歴史像を示す▼3月8日まで国宝23件、重要文化財76件を含む175件が公開される。島根関係では荒神谷と加茂岩倉両遺跡の国宝青銅器群など91件を展示。出雲大社の巨大神殿を支えた宇豆柱(うづばしら)と心御柱(しんのみはしら)が初めて同時に披露される。多くの人々が鑑賞を機に出雲との縁が結ばれ、来訪者が増えるよう願いたい。(道)

2020年1月8日 無断転載禁止