五輪に一人でも 元レスリング選手渡利さん、後輩へエール

レスリング教室の後輩に胸を貸す渡利璃穏さん=松江市内中原町、島根県立武道館
 レスリング女子で昨年現役引退した松江市出身の渡利璃穏さん(28)=アイシンAW=が7日、中学卒業まで汗を流した同市の島根県立武道館レスリング教室を訪れ、後輩たちにエールを送った。思い出の詰まった同教室を訪れるのは引退後初めて。五輪出場や闘病生活を乗り越えた経験を基に「夢や目標に向かって最後まで諦めず、悔いのないように頑張って」と激励した。

 渡利さんは2016年リオデジャネイロ五輪女子75キロ級に出場後、悪性リンパ腫が判明した。抗がん剤や放射線による治療を経て、18年6月の全日本選抜選手権女子68キロ級でリオ五輪以来1年10カ月ぶりに実戦復帰。優勝し、同年10月の世界選手権に出場した。東京五輪出場の可能性もあったが、首や腰などのけがも多くなり、19年11月に現役引退を表明した。

 現役時代に励ましを受けたことへの感謝の意味を込め、松江市内中原町の県立武道館を訪ね、年少から中学3年までの27人全員とスパーリングをした。マットに上がったのは引退後初めてながら、子どもたちに終始攻めさせ、ポイントを狙い続ける大切さを伝えた。

 練習後「多くの子どもがレスリングを続けて、一人でも多く五輪に出てほしい」と願った。

 この日は丸山達也知事と松浦正敬松江市長に引退を報告した。県から功労者表彰を受け、松江市から感謝状を手渡された。

2020年2月8日 無断転載禁止