女子ログ 生きるための決断(1)

 「大変申し上げ難いことですが、大腿(だいたい)骨から切断しなければなりません」

 先日、私は父親のことで医者から呼び出しを受け、宣告をされた。

 一瞬、私の頭の中が白くなった。こんなときは、白くなると表現するのが、妥当なのか分からないが、何もかも考えることができなくなった。

 時間も止まったままで、まばたきをした時にはたくさんの涙が出ていて医師がはっきりと見えなくなっていた。さらに耳も遠くなる感覚だけがあり、医師が目の前にいるはずなのに、かなり広い空間に私だけがポツリといる感覚であった。

 自分や家族だけは大丈夫、という甘い考えが、父の体を食い散らかしていたのだ。

 父は、糖尿病で体が年とともに弱っていたが、少しのかかとのあかぎれが、ここまで悪化してしまった。糖尿病で一番怖いのが合併症と呼ばれる数々の病。父の場合、動脈硬化がひどく、先端まで血液から栄養が回らず壊死(えし)が進んでしまったらしい。医師の宣告に母と悩んだが、まずは命の選択をしようと決めた。医師が父に宣告をした時、父は「分かりました。よろしくお願いします」と言った。その言葉には生きたいという深い意味が込められているのが分かった。人生においての決断。いつどんなときになるのか分からないが、続きはこの場でお伝えできたらと思っている。

 生きるためにできることを。

(鳥取市・DJレイ)

2020年2月11日 無断転載禁止