レッツ連歌(下房桃菴)・2月13日付

 今どき財布持ち歩く人

新聞やテレビの取材絶え間なく     (出雲)野村たまえ

目に見えぬものは信じぬ主義でして   (安来)根来 正幸

湯治客頭にのせて目を細め       (美郷)源  連城

両替はいたしませんとレジの横     (雲南)安部 小春

思い出のヴィトンは肌身離せない    (松江)佐々木滋子

アマゾンもヤフーも聞いたことがない  (川本)大畑喜美子

脳トレをしてるんですと強がって     (松江)桑谷 夢

アメ玉に絆創膏も同居して       (松江)高木 酔子

通る人みんなが覗き込んで行く     (飯南)塩田美代子

昔から目立ちたがり屋だったよね    (出雲)野村たまえ

ババちゃんはいつも探して叱られて   (浜田)滝本 洋子

ジイさんは首にぶら下げ徘徊し      (浜田)勝田 艶

停電になったときにも困らない     (松江)加茂 京子

はじめてのおつかいみなに見守られ   (米子)佐々木浩子

おうし座のラッキーアイテムチェックして(松江)植田 延裕

算数でまずはおつりの意味教え     (浜田)酒井 由美

銀行員だった手さばき見せたくて  (隠岐の島)大田 有子

その昔銀行ってのがありまして     (松江)山崎まるむ

一日の使える分を渡されて     (埼玉・所沢)栗田 枝

ちゃんこ屋はチョンマゲ結った元力士  (松江)持田 高行

お客さんこのカードではありません   (益田)吉川 洋子

旅先で公衆電話探してる        (松江)小谷由紀子

鰐皮やトカゲが似合う歳となり     (松江)花井 寛子

ガラケーが別れつらいと泣きまして   (雲南)横山 一稔

ケータイは昔ながらの二つ折り     (出雲)放ヒサユキ

ガラケーは背中を向けてそっと開け   (松江)田中 堂太

スマホにはヘビの抜け殻入れられん   (雲南)野 の 花

行商のおばちゃん今日もやってくる (出雲)はなやのおきな

素通りはやはりできない募金箱     (松江)澄川 克治

観光に和服が似合う城下町       (米子)板垣スエ子

同じ日に職務質問二度もされ      (江津)花田 美昭

縞柄がずしりと重い峠道        (美郷)源  瞳子

あなたって令和くさいと言われても  (奥出雲)松田多美子

やっと来た丹後の宮津行のバス     (松江)岩田 正之

           ◇

(挿絵・Azu)
 前句にあるのと同じことばは、原則として、付句に使ってはいけません。同時に、前句にあると「見なせる」ことばも避けてください。具体的にいえば、今回の前句には、「カードやスマホは使えない」という含みがあります。その意味では、「カード」も「スマホ」も、前句にあると「見なせ」ます。ですから、たとえば「年寄りはカードもスマホも使えない」みたいな句は、前句の内容をただくり返しただけ、ということになるでしょう。…なんと分かりやすい説明か。

 とはいえ、洋子さんは「カード」、野の花さんは「スマホ」を使って、みごと入選なさっております。そのわけ、はみなさんご自身でお考えください。

 最後に多美子さん。「令和新時代」などと、みなが浮かれているこのさなか、「令和くさい」ということば、よくぞ思い付かれましたね。大ベテランに脱帽です!

           ◇

 次は、

  もったいつけて客を待たせる

に、長句(五七五)をお願いいたします。

(島根大名誉教授)

2020年2月13日 無断転載禁止

こども新聞