世事抄録 初動判断の大切さ

 先日、東日本大震災で発生した大津波に役場がのみ込まれ、町長以下40人もの職員さんが尊い命を亡くされたドキュメンタリー番組を見た。改めて、津波の恐ろしさを実感するとともに亡くなられた方々のご冥福をお祈りせずにはいられなかった。

 番組では、生き残られた職員の方々が当時を振り返り、震災時の映像を織り込みながら、今の思いを、慎重に言葉を選びながら、絞り出すような感じでとつとつと語られる姿が胸を打った。

 その中で、亡くなられた町長さんは実に温厚で何事も人の意見に耳を傾けながら責任感を持って合意形成を図っていく方だったと振り返りつつも、一方で役場に参集した職員にトップダウンで避難指示が下りなかったことにも言及された。結果論ではあるが、何とも言えない切なさが湧き出てきた。

 災害はある日突然にやって来る。そのときに、突然、変貌してリーダーシップを発揮し、迅速な指示を出すことは難しいことだと思う。おそらく、大津波という実体験もなく、判断に必要な情報網が寸断されている状況下ではなおさらであろう。

 だが、最近の出来事を見るにつけ初動の判断の重要性、大切さを実感させられることが多い。あらゆる情報を収集、精査しつつ、人の話に耳を傾け、迅速に的確な判断ができるリーダーが存在すればよいのだが、どなたかご存じでしょうか。

(雲南市・マツエもん)

2020年3月19日 無断転載禁止