陰性でも気を緩めずに 松江市内の検査件数は400件

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した松江市内で、感染の有無を調べるPCR検査の実施件数が22日、400件に達した。1例目の感染確認から2週間が経過し、クラスターの全体像の把握が順調に進む一方、感染が判明した16人のうち、3人は1回目の検査で陰性だったのが再検査で陽性となった。今後も同様のケースや無症状の人が新たな感染源となる可能性があるだけに、医療従事者や市の担当者は「絶対に気を緩めないでほしい」と強く訴える。

 クラスターは松江市伊勢宮町の飲食店「BUZZ(バズ)」で発生。22日までに少なくとも144人の利用客や従業員らが検査を受けた。

 市は最初の感染者を確認した9日以降、新たな感染者を確認するたびに広く網をかけて濃厚接触者の特定を進め、クラスターの封じ込めに力を入れた。

 厚生労働省の定義変更に先行する形で、感染者の発症日の数日前にさかのぼって接触者を調査。利用客や従業員らは無症状であっても検査を実施してきた。

 その後、BUZZ関係者の検査件数は12日の54件をピークに減少しており、市の小塚豊健康部長は「クラスターは収束に向かっている」と話す。

 ただ、楽観視はできない。感染していても1回目の検査で「陰性」となる可能性があるからだ。PCR検査は検体に含まれるウイルスの量が少ないと遺伝子が十分に検出されず、陰性となる場合があるという。

 実際、松江市内の20代女性は10日に受けた1回目の検査で陰性だったが、その後も発熱やせき、胸や肩、腰の痛みといった症状があり、14日の再検査で陽性となった。

 厚労省は21日、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触の定義を変更すると都道府県に通知。これまでは感染者が発症した後の接触に限られていたが「症状が出る2日前からの接触」に改めた。

 呼吸器内科医で、きたに内科クリニック(松江市矢田町)の貴谷光院長(67)は今回の定義変更について、症状がない段階でも感染を広げる可能性があると判明したからだと分析。「常に自分が感染していると思って行動しないといけない」と呼び掛ける。

 新型コロナウイルスの潜伏期間は1~14日とされる。各保健所は感染拡大を防ぐため、濃厚接触者に14日間の健康観察と自宅待機を要請し、基本的には発熱やせきなどの症状が出れば検査を実施している。

2020年4月23日 無断転載禁止