レッツ連歌(下房桃菴)・5月14日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 聞かれないことはベラベラよく答え

議長時計を止めてください  (江津)花田 美昭

まだまだ課題多いAI    (江津)江藤  清

いっそマズいと言ってください
           (沖縄・石垣)多胡 克己

ひょっとしてソレあのさんのこと
              (松江)加茂 京子

身内の恥をまき散らす嫁   (益田)石川アキオ

時間切れにて終る会見    (出雲)栗田  枝

カツ丼食って続く攻防    (出雲)野村たまえ

物知りだけど耳が遠くて   (出雲)平井 悦子

在任期間は歴代最長     (松江)植田 延裕

国を背負うはこうでなくっちゃ(出雲)岩本ひろこ

使ってみたい習ったフレーズ (雲南)野 の 花

ボケたフリして追い払う詐欺 (松江)宮本朝陽香

その気になれぬお見合いの席 (松江)黒田 人鳥

介護認定受ける日が来て   (松江)澄川 高子

高齢者にもある反抗期    (松江)狩野 和子

先生の目をちゃんと見なさい (江津)花田 美昭

AIだから仕方ないよね   (松江)相見 哲雄

挙句の果てがマスク二枚か  (松江)山崎まるむ

あげく呑み代払わされてる  (出雲)はなやのおきな

いつもの薬出しておきます  (松江)佐々木滋子

分が悪くなりゃ貝に変身   (出雲)片寄ゆかり

孫の自慢に夫の悪口     (大田)塩毛 千介

孫二人とも医大入学     (美郷)源  連城

コロナ疲れを電話で解消   (美郷)源  瞳子

今夜はこれで寝ることにする (米子)板垣スエ子

まるで隣のおばさんみたいだ (浜田)滝本 洋子

国会中継聞いているよう   (出雲)吾郷 寿海

満場わかす夫婦漫才     (松江)岩田 正之

ピクピク動く右目右眉    (出雲)飯塚猫の子

きっきっ君がすっすっ好きです(雲南)安部 小春

トイレの場所を早く教えて  (松江)田中 堂太

女の勘をナメちゃいけない  (出雲)野村たまえ

ただひたすらにメモを棒読み (雲南)福場 仁一

最後はいずれにいたしましても(益田)吉川 洋子

           ◇

 滋子さんの「いつもの薬」―、お医者さんもたいへんですね。きっと孫の自慢や夫の悪口を聞かされているのでしょう。ありがちな日常の1こまを、うまく切り取りました。難しげな言葉は、全然使わないでも、これだけの表現ができるのです。

 「夫婦漫才」といえば、宮川大介・花子さん。NHK松江の「付句道場」の縁で、クイズ番組に共演させていただいたことがあります。

 放送前、楽屋に控えていると、突然ドアをノックする音。大きな大介さんが小さくなって立っておられます。「あのう、こんなのでよろしいんでしょうか」とは、実は、番組で付句を作っていただく手はずになっていたからで。ふだん客の前でバカなことばかり言っておられますが、プロというのはしっかり準備をなさるものだと、はじめて思い知らされました。

 リハーサルのとき、「桃菴センセはふだん、付句の選をどこでなさっているでしょうか」という問題に、花子さんが大きな声で、「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、 二号さんの家」―。私はとっさに「なんで分かりました」と切り返して、これはけっこうウケました。が、本番では花子さんは、NHKにふさわしい模範的な解答をされまして、私のジョークは、結局、日の目を見ることができませんでした。

 作品とは関係のないこんな話を長々と続けるところを見ると、私にも総理の資質が多少はあるのかもしれません。

           ◇

 いずれにいたしましても、次の前句です。

生年月日言ってみなさい

 五七五の長句を付けてください。

(島根大教授)

2020年5月14日 無断転載禁止

こども新聞