運動できない怖さあった 屋内施設「3密」避け再開

間隔を保ち、久々のプレーに汗を流す松江卓友会のメンバー=19日、松江市学園南1丁目、市総合体育館
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された山陰両県で、屋内体育施設の利用が再開した。屋外に比べて「密」になりやすい環境。利用者と管理者は感染対策と運動の両立に細心の注意を払っていた。

 19日午前、松江市総合体育館(松江市学園南1丁目)のメインアリーナ。市内の高齢者を中心とした卓球愛好家でつくる松江卓友会(加藤八重子会長)のメンバー40人が、小気味いい球音を響かせた。

 新型コロナにより同体育館が休止になった影響で、練習は実に1カ月半ぶりとなった。3メートル間隔に並べた卓球台でテンポ良くラリーを展開。2時間にわたって汗を流した後、ピンポン球を触った手をしっかり洗い、参加者全員の名簿を体育館に提出した。

 「コロナは怖かった。それだけでなく、運動できない怖さもあった。やっと体を動かせて気持ちいい」

 卓球が一番の楽しみという宮崎冨士代さん(79)=松江市浜乃木4丁目=は、市内で感染者が発生したことから、外出の機会を極力減らしてきた。できる運動といえば、自宅2階に続く階段の上り下りぐらい。久々の練習では、明らかにフットワークが重くなっていた。

 「今月で80になるし、使わないと脚が衰える」と、よわいを重ねるたび筋力維持が難しくなっている。それだけに、練習休止で日々の運動を継続することの大切さを痛感した。

 人によっては「不要不急」と思われかねないスポーツだが、高齢者にとっては「フレイル(虚弱)」を防ぐためにも重要な存在となる。宮崎さんは「『3密』を回避し、迷惑をかけないよう気を付けて卓球を楽しみたい」とし、卓友会のメンバーたちと一緒に、周囲を気遣いながら運動を続けていこうとしている。

 再開こそしたものの、併設のトレーニングルームは使用禁止を継続する施設が少なくない。子ども向けのスポーツ教室も再開しない施設があり、いつ以前の状態に戻るかは見通せない。

 鳥取県立武道館(米子市両三柳)では小中学生向けの教室で、柔道は「受け身」、剣道では「素振り」など体と体の接触がない練習に絞って活動を進める工夫をし、何とか子どもの運動機会を増やそうとする。

 施設側は神経を使う。カミアリーナなど出雲市内の体育施設の指定管理を受ける、NPO法人出雲スポーツ振興21(出雲市矢野町)の矢田栄子事務局長(48)は「1人でも感染者が出ると、またしばらく利用できなくなる。管理者としてもやることはやるが、利用者に念には念を入れてもらい、一緒に対策していきたい」と語気を強める。

 屋内スポーツのコロナ後は、まだ見えない。

2020年5月20日 無断転載禁止