夜の街、徐々に店の明かり 「新生活様式」意識し再開

感染対策を施した店内で常連客と語らう店主の山根晃一さん(右端)=24日午後、松江市伊勢宮町、フレンチ酒場せるぽわ
 政府は5都道県に出していた新型コロナウイルスの緊急事態宣言を25日に全面解除する方針を決めた。すでに宣言の対象から外れて10日がたった山陰両県では、席数を減らすなど「新しい生活様式」を意識した対策を徹底し、営業を再開する飲食店の動きが出ている。

 「家飲みとは、やはり違う」

 24日午後、松江市伊勢宮町の飲食店「フレンチ酒場せるぽわ」からは、和やかな笑い声が漏れた。常連客の自営業、坂本明日香さん(33)=出雲市灘分町=は、久しぶりにひいきにする店の味とスタッフとの会話を堪能。「皆さんに会えてうれしかった」と笑顔で店を後にした。

 同店は1カ月以上の休業を経て、今月18日に営業を再開した。休業中、新型コロナの対策としてカウンター席を3割、テーブル席は5割減らして、客が向かい合わせにならないよう工夫を施した。店の利用は完全予約制に改めることで、人数を制限している。

 オーナーシェフの山根晃一さん(40)は、伊勢宮の飲食店で県内初の感染者とクラスター(感染者集団)が発生したからこそ「伊勢宮の店が一番、注意深く対応していると思ってもらいたい」と、徹底した対策で再起を図ろうとしている。

 松江市寺町の「漁師小屋 麦穂(むぎほ)」は、26日から夜の営業を本格的に再開する。麦穂浩二オーナー(61)は「人出が戻らず(にぎわう)空気感ではない」と、厳しい状態が当面は続くと予想した。

 JR出雲市駅前の繁華街・代官町周辺の飲食業者など72店舗でつくる出雲ナイトビジネス協議会の高木隆慈会長(57)は「営業を再開したのは4割余りだろうか」と指摘。店側は「3密」を防ぐための改装などの努力を続けているというが、「まだ周辺を歩く人が通常の2割程度で、二の足を踏む店も少なくない。徐々に店の明かりで街を明るくしていきたい」と、再興を願った。

2020年5月25日 無断転載禁止