お仕事また頑張ろうね シルバーさん働く喜びかみしめ

久々の作業に心地よい汗を流す松江市シルバー人材センターの会員=松江市殿町、松江城
 「久しぶり。今まで何してた」「また頑張ろうね」

 松江市シルバー人材センター(松江市西川津町)の会員たちが28日、松江市殿町の松江城で久々に顔を合わせた。6月1日から松江城天守の公開が再開するのを前に、会員30人がボランティアで清掃活動を買って出た。

 同センターには市内に住む60歳以上の815人が登録する。4月上旬以降、宿泊施設や観光地、公共施設からの請負業務が一気に減った。堅調だった屋内清掃やシーツ交換、厨房(ちゅうぼう)での調理、洗い物といった仕事がぱったりとなくなった。

 4月の契約金額は前年同期比で2割減、依頼件数は同比26%減の538件だった。同センター事務局によると、今月はさらに悪化が見込まれるという。

 「まあぁ、退屈で。家の断捨離がはかどりました」

 同市黒田町の主婦、高山信子さん(74)が苦笑する。会員登録して3年。公民館など公共施設の屋内清掃を担ってきた。仕事がなくなった4月上旬から自宅待機を強いられた。松江城内の中では、仲間と近況報告をし合いながら、わきあいあいと作業を進めた。

 「年を取ると、気が付くことが多いの」

 細部まで丁寧にわたぼこりやダンゴムシを取り除き「人に喜ばれことをするとやりがいがある」と、喜々とした表情で胸を張った。高山さんの夫、明彦さん(79)も10年近く会員登録し、松江城周辺の清掃や草刈りをしている。明彦さんは「人影がなくて寂しかった。再開となるが、すぐにお客さんは戻って来ないだろうな」と視線を遠くに移した。

 同センターは新型コロナの感染を予防しようと基幹部門ともいえる、ふすまや障子の張り替えも休止した。公共施設の再開に合わせ、6月から再開するほか、庭の枝切りや草刈りに追われる季節が近い。多々納均事務局長(62)は「順調にいけば業務が元に戻っていくのではないか」と、収束を願うばかりだが、誰もが第2波の到来を気に掛けていた。

2020年5月29日 無断転載禁止