問われる市町村議員

 新型コロナウイルスと闘う医療従事者への激励が各方面から寄せられている。危機からの脱却に向け、同じくらいの気持ちで応援したい人たちがいる。地域代表として選ばれた市町村議員だ▼危機管理を巡っては、首長の発言や動向に焦点が当たっている。一方、議会の動静が取り沙汰されることは少ない。議員一人一人の権限は、組織を動かし、予算編成に関与する首長に比べ限られるからだ▼だが、議員は住民の困りごとに耳を傾ける「かかりつけ医」のようなもの。売り上げが落ちた事業者を救済する持続化給付金など、国が打ち出した支援策から漏れている商工業者はいないのか。使い道の決定が市町村に委ねられるコロナ対応地方創生臨時交付金をどう活用するか。知恵の絞りどころだ▼これから各地で始まる6月議会は、こうしたテーマで質問する議員が多いだろう。願わくば、そこから一歩踏み込んで、党派を超えた議会の総意として、執行部への政策提言につなげる議会が一つでも多く出てほしい。執行部も決して無視はできない▼山陰両県の議会に、議員や会派の政策調査に使う政務活動費の一部を「返上」する動きがある。コロナの影響で県外視察ができないので、その分対策に役立ててほしいという気持ちは分かる。だが、ふに落ちない面もある。住民の声を聞いて解決策を考えるのは今。「3密」を避けながらできる調査はある。(万)

2020年5月29日 無断転載禁止