「3密」回避で創意工夫 コロナ禍の中元商戦へ

新型コロナウイルスの感染防止対策を告知しているJU米子高島屋の中元売り場=米子市角盤町1丁目
 山陰両県の4百貨店のトップを切って、JU米子高島屋(鳥取県米子市角盤町1丁目)が29日、中元売り場を開設し、新型コロナウイルス禍での商戦が始まった。各店は事前予約システムの導入や会期の延長、通信販売の利用促進など、会場で「3密」を回避するために創意工夫。外出自粛傾向が続き、訪問や帰省ができない身近な間柄の人への贈答が増えると見込み、販売に力が入る。

 各店とも従来通り売り場を設ける一方、試食や試飲は中止し、申し込みカウンターで客と客との間に仕切り板を設置するなど、対策に知恵を絞る。

 JU米子高島屋は展示サンプル数を800点と2割減らし、通路幅や待合所を拡張した。接客や滞在時間の短縮に向け、注文商品を事前に書いてもらう記入台や来場予約システムを導入しており、森紳二郎社長は「お客様の安心安全を担保する態勢で臨む」と話す。

 米子しんまち天満屋(同市西福原2丁目)は換気に気を配り、売り場は6月3日、吹き抜けの1階中央に設ける計画。さらに同店のインターネット通販を利用した場合、送料が無料となる特典を告知し、来場を敬遠する客にも対応する。

 会期を拡大し、客の分散化を図るのは一畑百貨店(松江市朝日町)。従来より2週間程度前倒しし、同6日に売り場を立ち上げる。鳥取大丸(鳥取市今町2丁目)は客が集中する早期割引制度を取りやめ、同17日に開設を予定している。

 一方、各店は新型コロナが個人消費に与える影響を気に掛けながら、商戦の売り上げは前年並みか前年超えを目標に掲げた。背景にあるのは、大型連休に帰省できなかった親族や知人ららに対する贈答需要への期待感だ。

 既に今月上旬の「母の日」商戦で実績が出ており、各店は地元産のハムやビールなど、ご当地商品の売り込みに例年以上に注力する。

 島根県が開発したメロン「ゴールデンパール」のアイスクリームなどを注目商品とする一畑百貨店の井上智弘専務は「会いたくても会えない知人などへの注文が増えそうだ」と展望し、需要の取り込みを狙う。

2020年5月30日 無断転載禁止