おもしろサイエンス(4) ダイヤモンドで剣を作ったら強い?

材料の良い点生かし組み合わせ工夫する

 ダイヤモンドの剣(けん)はゲームなどに出てきます。実(じっ)際(さい)に、ダイヤモンドで剣を作ったら強いのでしょうか? ダイヤモンドは世の中で最も硬(かた)い材料の一つとして有名ですので、剣を全てダイヤモンド製(せい)にすると強そうです。

 全てをダイヤモンドにした剣で、鉄の盾(たて)を攻(こう)撃(げき)するとどうなるでしょう? ゲームでは鉄の盾より、ダイヤモンドの剣が圧(あっ)倒(とう)的(てき)に良い装(そう)備(び)になっていることが多いはずです。実際にダイヤモンドを鉄に押(お)しつけると、ダイヤモンドが鉄にめり込(こ)んでいき、ダイヤモンドの圧勝になります。

 ところが、ゲームの戦いのように、ダイヤモンドの剣で鉄の盾に切りつけると、実際にはダイヤモンドの剣の方が割(わ)れてしまうのです。ものすごく硬いはずのダイヤモンドがなぜ鉄に負けるのでしょうか? 実はダイヤモンドは硬いのですが、ガラスのように割れてしまう弱点があるのです。

ダイヤモンドペンの先に埋め込まれたダイヤモンド(横幅約1ミリ)の拡大写真。土台は金属
 このような弱点を持っていても、弱点を消すような材料を組み合わせる工夫によりさまざまな物が作られてきており、複(ふく)合(ごう)材料やマルチマテリアルなどの言い方で研究もされています。

 硬い物を削(けず)るのに使用するダイヤモンドを使った道具として、ダイヤモンドペンやダイヤモンドカッターなどが売られています。これらの道具は先っちょにほんの少しだけダイヤモンドが使われていて、割れにくい金(きん)属(ぞく)などと組み合わされています。このようにすると値(ね)段(だん)も安くなります。ダイヤモンドの剣を作るなら、先だけダイヤモンドにした方が良さそうです。

 材料にはそれぞれ良いところと弱いところがあります。皆(みな)さんの身の周りの物もいろいろな材料の良いところを生かすように組み合わせて作られています。いつも使っている物でももう一度よく見てみると、たくさんの材料を使って工夫してできていることが分かるでしょう。



産業技術総合研究所主任研究員 渡津 章
産業技術総合研究所主任研究員 渡津 章

■略歴

 1968年生まれ、久(く)手(て)小、大(おお)田(だ)二中、大田高校出身。東北大学卒業後、日本学(がく)術(じゅつ)振(しん)興(こう)会研究員を経(へ)て、工業技(ぎ)術(じゅつ)院名古屋工業技術研究所に入所。その後2001年から産業技術総(そう)合(ごう)研究所。05年から09年まで神(か)奈(な)川(がわ)歯科大学非(ひ)常(じょう)勤(きん)講(こう)師(し)。08年から中京大学非常勤講師。

2020年7月29日 無断転載禁止

こども新聞