レッツ連歌スペシャル(黒田 光)・7月30日付

 土曜の夜と日曜の朝

山あいに石見神楽の八調子        (江津)花田 美昭

宴会の酒抜けきらぬバス旅行       (松江)佐々木滋子

温泉も高原列車もオンライン       (出雲)岩本ひろこ

孫と会う印をつけたカレンダー      (益田)石田 三章

すっぴんの彼女の顔に驚いて       (松江)植田 延裕

圭君の試合はいつも長丁場        (松江)田中 堂太

読み出せば止まらなくなるミステリー   (出雲)野村たまえ

楽勝の試合まさかの大逆転        (江津)花田 美昭

関係者みなにアリバイ聞いてます    (雲南)ワタくんの爺

母さんのカレー取り合う大家族      (益田)吉川 洋子

ラッキョウでご飯がすすむ核家族     (益田)石川アキオ

父の日をまさか忘れちゃいないよね    (浜田)勝田  艶

七日分まとめて済ますウオーキング      (大田)秀 峰

里帰り母の煮物に朝寝坊         (出雲)岡  佳子

ようやっと単身赴任にも慣れて      (浜田)三隅  彰

健診で覚悟を決めた休肝日        (雲南)妹尾 福子

人里を離れ秘境の隠れ宿         (飯南)塩田美代子

裏木戸はあなたのために開けてます    (松江)澄川 克治

不倫とは文化だと言う人もいて      (松江)狩野 和子

UFOが地球にそっと立ち寄る日    (雲南)ワタくんの爺

屋根裏のネズミも踊る夢の中       (出雲)石飛 富夫

パソコンもスマホも全部オフにして    (益田)可部 章二

ケータイとお酒で時は過ぎて行き     (安来)佐々木幹法

金曜に作ったカレー食べきれず      (松江)小谷由紀子

木金と何も変わらぬ定年後      (出雲)はなやのおきな

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(挿絵・麦倉うさぎ)
 名曲「恋におちて」の中に、「土曜の夜と日曜のあなたが欲しい…」というような歌詞が出てきます。道ならぬ大人の恋を歌ったこの歌を、当時まだ小娘だった私はドキドキしながら聞いたものです。

 克治さんの「裏木戸」は、そんなちょっと危うい恋の句ですね。女性の身になって詠まれているというのも面白い。

 王朝時代の和歌の世界では、愛する人の訪れをじっと待ちわびて夜を過ごす女性の気持ちを歌うことが、恋の歌の一つの定番になっていたようです。お決まりの型にはまったような歌もありますが、なかには恋い焦がれる気持ちが絶妙に表現されていて、こちらまで切なくなるような名歌もあります。百人一首の恋の歌を一度味わい直してみるのもいいかもしれませんよ。

 「不倫とは文化だ」と言った人もありますが、良い悪いは別にして、思ってはいけない人を思ったり、告げてはいけない言葉を告げてしまったり、持ってはいけない関係を持ってしまったりという人間の恋模様が、文学の世界を豊かに面白くしていることは確かです。

 皆さんもたまには恋の句にチャレンジしてみてはどうでしょう。  (詩人)

2020年7月30日 無断転載禁止

こども新聞