アユ伝統「簗漁」復活へ 美郷有志組合、江の川に足場

美郷町都賀西の江の川の河岸で設置が進む「簗」
 島根県美郷町都賀西の江の川の河岸で、落ちアユを狙う伝統漁法「簗(やな)漁」の復活に向け、「簗」と呼ばれる足場の設置が進んでいる。旧大和村時代の1978年から、2015年まで、地元の伝統漁業保存組合が取り組んだ後、組合員の高齢化などのため休止されていたが、住民や町出身の有志が秋の風物詩として改めて定着させ、観光資源としてもPRしていこうと立ち上がった。

 簗漁は8月中旬から10月中旬にかけて下ってくるアユを、傾斜を付けた「簗」で流れをせき止めて生け捕る漁法。古い記録はないが、昭和20~30年代の原風景として都賀地域に伝わり、足場に使う資材を竹から鉄製のパイプに切り替えながら、5年前まで続けられてきた。

 復活に向け、13日に新たに発足したのが、広島県在住の町出身者を含む40~80代の18人でつくる大和伝統漁業簗保存組合(中原美明組合長)。2年前から、休止中の大和村伝統漁業保存組合、江川漁業協同組合(川本町因原)などとも協議。簗の設置費用はメンバーの出資金や美郷町観光協会の補助金を充てた。

 10月14日までの漁期をにらみ、漁は今月下旬に開始予定。鉄製のパイプを並べた長さ約14メートル、幅約6メートルの簗の設置作業が最終段階を迎えている現場で、メンバーは簗で跳ねる元気なアユの姿とともに観光振興などの活用策にも思いをはせる。栗原進副会長(73)は「何としても後世に伝え、いずれは地域の観光資源に育てていきたい」と意気込む。

2020年9月16日 無断転載禁止