命の大切さ歌声に乗せ 歌手・木山さん奥出雲訪問

木山裕策さん(中央)と一緒に熱唱する鳥上小学校の児童たち=島根県奥出雲町大呂、水辺の楽校
 命の尊さを説く歌手・木山裕策さん(52)と、島根県奥出雲町横田地区の児童生徒が歌を通じた交流を続けている。新型コロナウイルスの感染拡大や有名人が自ら命を絶つなど社会に暗い影が差す中、初めて横田地区を訪れた木山さんは、自らの歌を通じて子どもたちに生きる意味を訴えかけた。

 ♪生きていること それが僕らのすべての答えとどうか気づいて~

 13日夜、ライブ会場となった水辺の楽校(島根県奥出雲町大呂)。美しい田園風景が広がる会場周辺に、木山さんの力強い声と子どもたちの歌声が響いた。

 木山さんはヒット曲「home」で知られ、2008年のNHK紅白歌合戦に出場した。命の大切さを考えるようになったのは甲状腺がんを患った36歳の時。今回のコロナ禍では、希望を持って生き抜いてもらおうと楽曲「生きて」を作曲し、発信している。

 かねて「子どもたちと一緒に歌いたい」との思いを抱いていた木山さん。会社員時代の同僚で、横田高校後援会会員の桑谷猛さん(51)=松江市山代町、団体職員=を介して奥出雲町横田地区にある高尾、鳥上両小学校と横田高校の児童生徒とのコラボレーション動画を撮影し、動画投稿サイト・ユーチューブにアップした。

 新型コロナの影響で、これまでオンライン上での触れ合いだったが、13日に木山さんの来県が実現。木山さんは鳥上小学校と横田高校を訪れ、児童生徒にがんを克服したエピソードを伝えたほか、歌唱を交えて命の大切さを訴えた。夜のライブでは、木山さんは「home」を熱唱し、鳥上小学校の全校児童21人と「生きて」を合唱した。

 4年の広原碧希君(9)は「木山さんとの合唱で歌うことが好きになれた」と笑顔を見せ、6年の安川結月さん(12)は「木山さんから学んだ命の大切さを家族にも伝えたい」と話した。

 14日は授業に落語を取り入れている高尾小学校を訪問し、児童の落語を楽しんだほか、講演会とライブで交流した。

 木山さんは「たくさんの元気をもらい、いつか島根でライブをする目標ができた。また子どもたちと会いたい」と、今後の音楽活動への思いを口にした。

2020年10月15日 無断転載禁止