女子ログ 飽きっぽい母子

 物置き場に使っている部屋というのは、普段あまり出入りしていない分、何をしまっているのか忘れてしまうことがちょくちょくある。

 先日、夏物をしまい始めたときだった。押し入れに突っ込んだ段ボール箱の陰から黒い合成皮革のケースが見えた。何だろうと思って見てみたら、子ども用の小さなギターだった。

 夫は学生時代に熱心だったギターを時折取り出して弾くのだが、小さい頃の子どもたちは興味津々で、自分たちも構いたがった。夫は大事なギターが傷ついては困るので、楽器店で子ども向けのギターを買った。

 子ども用とはいっても、おもちゃとは違う。普通のギターをちょっと小ぶりにしただけで、ちゃんと曲も弾ける。値段も数千円とお手頃。夫は子どもと一緒に弾くことをひそかに夢見ていたようだ。

 しかしその望みはかなうことはなかった。子どもたちは私に似て飽きっぽい。根気よく楽器を練習するタイプではなく、そのうちに見向きもしなくなった。そしてギターは押し入れの隅に追いやられた。

 久しぶりにケースから取り出した。弦はあまりさびておらず、ちゃんと音は鳴るようだ。代わりに私が弾いてみようか。飽きっぽいのは私も同じだけれど。

(米子市・アルペジオ)

2020年10月17日 無断転載禁止