温室効果ガスゼロ目標はチャンス

 国内の温室効果ガス排出を2050年までに実質ゼロにする-。先月の所信表明で菅義偉首相がこう宣言した。地球温暖化防止に向けて、脱炭素社会の実現を目指すと宣言したわけだが、事はそう簡単ではない▼エネルギー政策で言えば、石炭火力発電の廃止が求められるし再生可能エネルギーの積極的な導入も必要になろう。現在は2基しか動いていない原発の再稼働も課題となってくる。社会や経済の転換を促す手段としての炭素税も不可欠だろう▼島根県に投影してみると、22年の営業運転開始を目指す石炭火力の三隅発電所2号機、再稼働に向け審査が続く島根原発2号機、新規稼働を目指す同3号機がどうなるか。太陽光、風力、地熱発電など自然エネルギーの活用をどう進めていくか。身近な問題として生活に関わってきそうだ▼中国は35年までにガソリン車をハイブリッド車に置き換え、電気自動車などの比率も大幅に高めていくという。英国も30年までにガソリン、ディーゼル車を販売禁止する。世界的にガソリン車やディーゼル車の全廃、脱炭素への動きが加速する▼菅首相は経済と環境の好循環を目指すグリーン社会の実現を強調した。地球環境に負荷をかけない生活は山陰地方に向いている。「過疎地だ」「へき地だ」というマイナスイメージに別れを告げ、自然豊かな環境を生かして脱炭素社会のトップランナーを目指したい。(富)

2020年11月21日 無断転載禁止